パラオ共和国について
パラオ共和国は1994年に独立したばかりの若い国です。第一次世界大戦終結後~1947年までは日本の委任統治領でしたが、その後国連から委託を受けたアメリカ合衆国が信託統治を行っていました。
日本の統治時代はパラオ人(パラワン)を三等国民、 日本人を一等国民としてそれなりに扱いの差はあったようですが、現在もパラワンに姓名問わず日本の名前が多くつけられ、昔を懐かしむ老人たちの屈託のなさから感じられる印象では、言葉から連想されるような差別はさほど受けなかったのかなあと思います。いやな時代だったら名残も消そうとするだろうし。むしろ良い時代だったと多くのパラワンは認識しているようです。
なぜなら、ホテルでも街中でもタクシーでも、現地ガイドさんからも、ことあるごとに名前を聞かれるのです。こちらが名乗ると「その名前はパラワンにもたくさんいる」「その名前は私の従姉妹にいる」等と嬉しそうに語ってくれます。ホテルではわざわざ同じ名前のスタッフを連れてきてくれました!(日本の名字に当たる名詞が名前になってました) 会話の中にも「オンナ」「バントウサン」「ビョウイン」といった日本語が頻繁に混じり、日本人が話す英語とも違う名調子に、とてもほっとして親しみを感じます。
日本が統治していたのはアメリカよりもずっと短い期間でしたが、言葉を始め、食事や町並みに今なお色濃く残る日本の影響にとても近しい印象を持ちました。
パラオの治安は驚くほど良く、パラワンは皆とても親切です。観光地として有名な南国はたくさんありますが、その中でもパラオはダントツに過ごしやすいのではないでしょうか。地元料理も美味しいしね! 買い物したい人には向いてませんが。(DFSもあるにはあるけどお土産中心)
パラオと自然環境
パラオには観光以外、これといった産業はありません。
美しい自然がパラオの資源です。
しかしパラワンは環境問題にさほど関心がなく、ゴミの分別は全くなし。(アメリカの影響も大きいと思う…)
日本人スタッフが経営するツアー会社では、対策を立てようと色々努力してみても、あまりにも住民の環境に対する問題意識が低いので、仕方なく「缶をひとつ持ってきたら5セント出します」といって空き缶の収集をしているそうです。(そのツアー会社のガイドさん談)
パラオの環境対策
数年前に日本の援助でゴミ焼却場が作られたらしいですがほとんど稼働せず、ゴミの処理方法は現在埋め立てが中心です。おまけに下水道は全く整備されておらず、汚水は海に垂れ流しとのこと。美しい海を楽しめる時間は、さほど残されていないのかもしれません。
私たちが宿泊したアラカベサン島には来年韓国資本の巨大ホテル(客室数1000超)が建設予定だし、マラカル島にも中国資本、韓国資本の巨大ホテルが建設中です。(旅行中にガイドさんから聞いたのですが、実際はどうなんでしょう?)
2009年の時点で、パラオには全州合わせて1000室程度の宿泊施設しかないのですが、下水処理場がない状態で新しいホテルが全て稼働したら、この国はどうなってしまうんだろう。
正直恐ろしいです。
私たちにできること
でもってなんでこんなことを書いたのかというとだな、みんなパラオに行ってパラオの経済に貢献しましょうよ、ってことです。
国が豊かになればインフラも整備できるし。
もちろんゴミは持ち帰りで、海を汚さないためにシャンプー類は生分解性のものを日本から持参して、日焼け止めはウォータープルーフ!(これは自分の身を守るためにも必須。パラオの紫外線は日本の七倍!) そして食事は残さない! ソースはパンでふき取ってお皿を綺麗に! ……なんてね。でもわりと本気。
パラオへのルート
ちなみにパラオへ行くには、グアムで乗り継ぎするのが一般的です。グアムからは直行便だと一時間、ヤップ島経由だと三時間。 ただこのルートだとアメリカの入国審査が異常に厳しいし、時間もかかる。でも天気が良ければ硫黄島が見えるので、それが嬉しい人にはいいかも。
日本からパラオへの直行便はあるにはありますが、夏休みとかの観光シーズンに限られます。(2013年現在、成田から直行便が通年で出てるらしいです)
他のルートでは、台湾から直行便が出ています。台湾で何泊かしてからパラオへ、という日本人観光客も少なからずいるのだとか。そういえばコロール市内に台湾資本の大きなホテルがありました。台湾とパラオって縁が深いのかな?
いずれ台湾にも行きたいので、次回はこのルートを使ってみたい!