パラオ港(ミナトバシ)とパラオの車 (090617)
午後の予定〜海一さんとの出会い
イルカと遊んでホテルに戻ったのはちょうどお昼ごろ。昼食はおみやげ購入を兼ねてコロール市街に行こうということになり、ホテルでタクシーを呼んでもらった。やってきたタクシーの運転手、海一さん(Kai-Ichiでかいいち、"Umiでichiban, KIng of Sea!"と誇らしげに説明してくれた。親御さんは漢字の意味まで考えて名前を付けたってことだよね。すごいなあ。海一さんの名刺はこちら)はとても陽気なパラワンのおじさんで、あれこれ話しているうちに、この後おみやげ買ってランチを終えたら、コロール島周辺の戦跡巡りのツアーをお願いすることになったのでした。これが大正解で、とても充実したツアーを体験できました! 色々ありがとう海一さん!!!

ミナトバシ
コロール島とマラカル島を結ぶミナトバシ。日本統治時代の名称がそのまま使われています。統治時代はどんな橋だったんだろう。
この撮影ポイントは海一さんが教えてくれました。ホテルのあるアラカベサン島からコロール島に向かう途中、いきなり車を停めて「ミナトバシ! ここからの景色は最高だから写真撮れ!」(日本語混じりの英語)と言われて降りてみたらこの絶景! 私達が戦跡巡りをしたいと言ったので、こうして統治時代にゆかりのある景色をわざわざ教えてくれたのでした。いい人だ〜!
ミナトバシは、橋といっても堤防のようなもの。海面が近いので、まるで海の上を走っているような感じがして爽快です。アラカベサン島とコロール島を結ぶ橋も同じ構造で、どちらも日本の資金援助で建設されました。どちらの橋の中ほどにもテラスが設けられ、日本の国旗を刻んだ小さな記念碑が建てられています。
滞在中に何度もこれらの橋を渡りましたが、パラワンがこのテラスに集まってくつろいでいる姿をよく見ました。釣りをする人もいるそうです。でもわかるー、すごく気持ち良さそうな場所だし!

パラオ港
午前中に行ったドルフィンズパシフィックのオフィスは、マラカル島パラオ港の近くにあります。パラオ港はパラオで唯一大型船舶が接岸できる国際港で、コンテナ船や豪華客船、台湾のマグロ漁船等はここに停泊します。統治時代は軍艦も投錨したりしたんだろうな。
ジパング(漫画)に出てきたマラカル港も、多分ここをイメージしたのだと思う。みらいはここに接岸して食料(と拳銃)の補給を受けてたのかとか、クーデターでみらいを追われた角松たちが、乗員に見送られ退艦したのもこの岸壁かーとか、漫画の中の話だけど、あれこれ想像すると面白い。

パラオの自動車
港近くの駐車場で見かけたパラオの車たち。99.9%が日本の中古車です。他の国の車は滞在中二台しか見なかった。(MINIの初代Sと二世代くらい前のベンツのC)
パラオではナンバープレートを付けるのは後ろだけです。車検もすっごく甘いらしく、フロントガラスにヒビが入ったタクシーとか普通に走ってます。ペリリュー観光で乗ったワンボックスカーなんか、ドアレバー取れてて内側からしか開かなかったし(笑) それでもあんまり困らないから、世の中こんなもんでいいんだ~と思えます。でも最近は日本も訴訟天国になりつつあるからなあ…。
パラオのタクシー事情
タクシーといえば、私達が利用したタクシーなんかは、ホテルの敷地に入るときだけ屋根にタクシーマーク着けたりしてて超適当だった! 傍目から見ただけじゃタクシーだってわからない(笑)
ちなみに、パラオには流しのタクシーは無いので、ホテルやお店で呼んでもらいます。タクシーに乗ると大抵名刺をもらって、帰るときは呼んでくれと言われます。
たとえばタクシーでホテルからコロールの地元レストランに行ったとき、降り際に運転手さんが名刺を渡しながら「Show this card バントウサン」と言ってました。日本でも使われなくなった言葉がそのまんま生きてます。パラオ凄いです。
あとタクシーはメーターがなく、料金は事前交渉制です。でも相場が決まってて、アラカベサン島~コロール市内間で10$。バベルダオブ・コロール・アラカベサンの三島観光(戦跡巡りとか超濃密)は約三時間60$でした。

パラオの消防車1
ホテル滞在四日目に火災訓練が行われたんですが、それに参加した消防車。ずいぶん大掛かりな訓練だったようですが、自分たちはトレッキングしていて参加できなかった…。
ちなみに消防車は日本製です。ISUZUエンブレムが頼もしい! 海外で日本車見ると、なんとなく嬉しくなります。Made in Japan最高だね! 壊れないし!!! ソニータイマーはどうなんだって声がありそうだけど、あれ都市伝説らしいよ。

パラオの消防車2
表示は全て日本語と英語が併記されています。日本国内用もそうなのか、それとも輸出用に作られた車両なのか? でも輸出用だったら日本語表示いらないし、やっぱり中古車を輸出したのかも。バベルダオブ島の自動車整備工場では松島市のゴミ収集車があったし…。

パラオの抱える複雑な事情
消防車に関して、パラオで印象深いエピソードがあったので紹介します。(写真はパラオ政府公用車専用のナンバープレート)
パラオに到着したのは真夜中でしたが、土砂降りの空港滑走路に消防車が待機していました。火災でも起きたのかと思ったら、翌日にイラクで戦死したパラオ人アメリカ兵が帰国するということで、そのセレモニーのため待機していた車両でした。(となりに座っていたパラワンのおじさんが教えてくれた)
パラオには年に三十~五十人ほど、米軍に入隊する若者がいるそうです。米国の大学の学費がタダになる、米国の市民権が得られる等の利点があるからです。でも、パラオやミクロネシア等の同盟国から採用された米兵は、大抵イラクなどの激戦地に送られるとか。
これといった産業もなく、大学のないパラオでは、入隊試験を受ける若者が年間百五十人ほどいます。パラオには短大しかないので、大学はグアムやハワイに行くことが多い。進学したくてもお金のない人は、米軍に入隊することが多いらしいです。
一方、米国では本国の若者の入隊が減っているので、移民や太平洋諸国(主に同盟国)からの入隊希望者に対する期待が高まっているそうな。両者の利害?が一致したシステムとも言えるけど、こんな悲劇が起きてしまうのも事実。戦争をしていないパラオで戦死者が出るなんて、複雑な気持ちだ。
ここはやっぱり、観光産業=高収入で魅力ある職業にして、パラワンの雇用と所得を増やすしかない! だからみんなパラオ行こうぜ!!!!!!
パラオのナンバープレートたち
ナンバープレートが出たついでに、パラオ港近くで見つけたナンバープレートの写真です。州ごとにデザインが異なり、見ていて楽しい。
左はコロール州イラスト版、右はコロール州文字オンリー版。
左下はペリリュー州。イラストは島・亀・ヨット。右下はパラオのじゃないらしいです。国際港の近くだし、外国の車でしょうか。